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丹後の自宅で結婚式を。
Posted on 2014/07/09 by ideafeves
5月24日 晴れ
随分日が経ちましたが、
天橋立からほど近い、京都府与謝野町にある
新郎のご実家で先日執り行われた結婚式。
「地元丹後産のものを多く使い、
なるべく手作りの結婚式を行いたい」
「私たちの結婚後の生き方や大切にしている
物を表現し、未来につながる会にしたい」
と、想いを綴って下さったことから始まった、
TomaさんとChigusaさんの結婚式。
披露宴会場となる新郎Tomaさんのご自宅は、
天保4年(1833年)創業以来続く、
丹後ちりめんの織物工場。
その自宅敷地内にある大きな倉庫を使用して、
披露宴を行うことを決めたお二人。
結婚式を考えたとき、
当初は京都府内の会場にも足を運ばれたとのことでした。
だけど、何かがしっくり来ない。
そんなときふたりが思いついたことが、
新郎Tomaさんが生まれ育ち、これから二人が
家族となって生活をしていくその自宅で、
大切な人たちに囲まれて、披露宴を挙げることが、
一番自分たちらしいのではないか、と。
初めてご自宅にお邪魔させて頂いた時、
もうとにかく感動したことを覚えています。
趣(風情)があり、重厚感があり、
そこにしっかりと歴史が刻まれていることが
誰にでもすぐ分かるくらいの、
言葉では表せない、素晴らしさがありました。
ここで生まれ育ったというその環境に、
きっと誰もが嫉妬さえするのではないかと
思う程、息をのむ素晴らしさが、
この家、この工場、そしてこの町にはありました。
そしてその素晴らしさは、与謝野町という町全体、
ここに住む方々、皆さんに、心の底から感じさせられる
ことを、私はまだこの時には想像が出来ませんでした。
「町おこし」
ふたりから出てきた言葉の一つ。
二人の結婚式を通じて、少しでも町おこしに繋がれば。
と、お話されていたことを思い出します。
この結婚式を通じて、
私はこの与謝野町という町の素晴らしさ、
丹後という地域の勢いと、そこに住む人たちの
つながりに触れ、仲間に入れて頂いて、
本当に本当に心に残る素敵な数日間を
過ごさせて頂きました。
私は4日、
装飾を手がけたねのうわさのスタッフは、
丸1週間、新郎自宅に泊まり込み、
準備を行ったラストスパート。
その間に一緒になって準備を進めて
下さった地元の方々との出会いも全て、
私たちにとってとても大きな財産になりました。
凛とした空気が流れる工場内。
ここに何度も足を運ばせて頂きました。
もう製造さえされていないという機械の数々に、
織物という文化と、それを代々守ってこられた
歴史を感じずにはいられません。
お打合せに伺うたびに耳にした機械の音、
機音(はたおと)をもう聞く機会があまり無いと
思うと、今は寂しさすら感じます。
そして結婚式当日の朝、
誰もいない工場内に差し込む日差しが
とてもキラキラ眩しかったなぁと。
自宅から徒歩5分のところにある「木積神社」。
山のふもとにあるこの神社の境内からは、
遠くに天橋立も眺められます。
自然の苔がこんなにも素晴らしいなんて、
知らなかったと思える場所。
秋の紅葉も、雪の季節にも伺って、
この新緑の季節。
本当に素晴らしい挙式でした。
こんなに贅沢なことはありません。
有名な先生方による祝言の能。
私はちょっと緊張することもありましたが、
こんなにも神聖な場所で、このような能を
肌で感じることができ、堪能するなんてことは
まだまだ出来なかったですが、
素晴らしい経験をさせて頂けたことに、
心から感謝しています。
素晴らしいの一言につきます。
そして、いよいよ披露宴。
改めてBefor → Afterはご紹介するとして、、
倉庫を改装して出来上がった披露宴会場で、
総勢120名でのご披露宴が執り行われました。
暑いかもしれない、寒いかもしれない・・。
雨が降ったらどうなるだろう。。
空調、音響、照明、テーブル、椅子、
全ての準備にドキドキしながら進めてきた当日。
きっとこれ以上のものは無い!
という素晴らしい会場に、
仕上がったのではないかな。
出来上がった会場を見て、
ふたりがとっても嬉しそうにしてくれていたことが、
何より嬉しかったのです。
この空間コーディネートに関しては、
殆んどお任せして下さり、そして私もまた、
信頼しきっている「ねのうわさ」の櫻田氏こと
サクちゃんにすべてを委ね、完成された会場。
いつも想うことですが、
私自身は才能は無いけれど、
私の力になってくれる沢山の素晴らしい仲間に
恵まれ、支えられていることに心から幸せを感じます。
グルームズメンの皆さんと一緒に、
Chigusaさんのウェディングドレス姿の到着を、
幸せそうに眺めるTomaさんのこの表情が、
ちょっとお気に入りの1枚♪
そしてブライズメイドの皆様。
今回の披露宴の目玉はファッションショー。
ご友人のデザイナーKANYAさんと、
今年一緒にブランドを立ち上げられた新郎。
地元丹後シルクの織元とデザイナーのコラボで
ドレスをつくり、ファッションショーをするという
当初の企画どおり、とても素敵なショーが、
執り行われました。
贅沢なライブもありました。
藤棚をつくることが夢だというChigusaさん。
ゲストの皆さんと藤の木の植樹を行いました。
長い長い1日はまだまだ続き、、
2次会は、地元丹後の数々のお店のブースが
お庭にずら〜っと並び、
もう、本当に贅沢すぎる宴となりました。
新郎の友人たちによる、太刀振り。
めちゃくちゃかっこ良かったです!!!
鎌倉に生まれ育った新婦Chigusaさん。
この京丹後、与謝野町で生まれ育った新郎Tomaさん。
お互い違う環境で育ち、
あるときどこかでふと出会って、
運命を感じて家族になる。
そこからまた新しい家族ができて、
その場所を地元として育つ子供が生まれる。
出会いって素晴らしいなと、
家族になることの素晴らしさを、
なんだかものすごく感じさせられた
結婚式でした。
そして、今回の結婚式は、
ご新郎のお父様とお母様にも、
さんざんお世話になり、
本当に良くして頂いて、
とても素敵なお爺さまも、
結婚式前の1週間毎日毎日、
倉庫がどんどん変化して行く模様を
とても楽しみにして下さっていました。
照明が足りない><!と言ったら、
お父様がすぐに電話をしてくれて、
駆けつけてくれるのも地元のご友人。
テーブルや椅子の準備に、
2次会の打合せなんかはもう町内会の
会合のように総勢20名以上が集まり、
誰もが二人の結婚式のために、
全力でご準備を進められました。
これまでウェディングプランナーをしてきて、
今年で14年。日本にこんな温かくて、
幸せな結婚式が出来るカップルがどれだけ
いるだろう・・・と、心から感じました。
きっと、ご両親は気が気じゃなかったはず。笑
だけど、きっとその何倍も喜んで下さっていることと
想います。自分たちの子供が、生まれ育った自宅で
結婚式がしたいと想う家庭をつくり上げられた、
お父様とお母様。本当に素敵なご両親。
私はもうこのご両親の大ファンです。
結婚式前夜、お母さんと夜中の2時に屋根裏に
入ったこともとても良い想い出です♥︎笑
数年した頃、二人が自分たちの子供に、
堂々とこの自宅でお父さんとお母さんは
結婚式をしたんだと、嬉しそうに話をする。
そんな特別な結婚式を挙げられた二人は、
本当に幸せだと想います。
またこの数百年続く繊維工場の歴史を築きながら、
いつまでも輝くお二人らしく、仲良く幸せに、
そしてこれから生まれてくる新しいご家族と、
永遠に幸せな家庭を築いて欲しいと想います!!
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