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桜の咲く頃に。二人の2度目の結婚式。

Posted on 2020/03/05 by ideafeves

 

気づけば、またしばらく冬眠して
しまっていたウェディングレポート。

間も無くやってくる桜の季節。

昨年は例年以上に、
長い期間お花見を楽しめたことを
思い出します。

 

遡ること1年半前。
きっと誰もが思い出す、一昨年の9月。
関西を直撃したあの例年にない台風の影響で、
完全に交通網がストップするという異例の事態に、
泣く泣く結婚式を「延期する」ことを決めたお二人。

 

結婚式3日前、
期待を込めて会場に荷物搬入をし、
新郎ニコさんと新婦マオさんと3人で、
しばらくの時間、小さなスマホの画面で
天気予報を見ていたように思います。

 

あの時、私はなんて無力なんだろうと、
そう感じる他ありませんでした。

遠くフランスから既に来日されている
新郎ニコさんのご家族やご友人。

それを思うとその決断は、
想像を超えるものだったと思います。

けれど、全てのゲストのことを思うと
そうすることが最善だと考え、
決められたこと。

目の前で、一生懸命涙を堪えて
「延期します」と仰ったあの姿は
今でも忘れることができません。

自分のことより、人のこと。
言葉で聞かなくても、いつもそう
感じられるほど、言葉の一つ一つに
他人への気遣いや敬意、愛を感じられる
新婦マオさん。

あの目の前でやりとりされた
お二人の無言のプレッシャーは、
当人たちにしかわからないと、
今になっても思うのです。
私は今でも思い出すあの日。

けれど、きっとお二人にとって思い出すのは、
その日でもなく、迎えるはずだった
1回目の結婚式の1日でもなく、
あのびっくりするほど晴れ渡った
最高に心地の良い、それはそれは
春らしい陽気な素敵な素敵な1日
なのではないかと思います。

延期を決めた3日後、
「次は桜の咲く頃に」と
ご連絡を下さったこと。

吹っ切れた清々しい気持ちが
電話越しにもわかるような、
とても前向きな言葉と声。

出会ったその日に感じた素敵な人柄は、
それからお会いするたびにますます実感し続け、
温かく思い遣りに溢れるその素晴らしい心は、
きっとどんな時も変わることがないのだろうと
心底感じさせてもらいました。

 

 

そして迎えた当日が、
想像と期待を超える晴天に恵まれ、
何よりもお二人の思い描いていた
ガーデンパーティー日和になったことを、
嬉しく幸せを噛みしめた1日でした。

日本とフランス。
それぞれ異なる国で育ったお二人。
言葉も違えば、文化も違う。
そして、もちろん考え方も違う。

そんな二人が出会い、恋に落ちて、
結婚を決めるということ。
それは、同じ国籍同士の人とひとが
結婚することと何が違うのだろう?
と、私は思うのです。

このお二人に限っては特にそう思います。
きっと日本で出会っていなくても、
必ずどこかで出逢い、結ばれていたように、
そう感じます。

何もかも異なるお二人。
けれどきっとお互いが
他の誰かではなく、
世界にたった一人、
理解し合う存在だったのでは
ないかなと思うのです。

新婦マオさんお一人で、
はじめてご相談に来てくださった日に、
いろんなお話を聞かせてくださったことを
思い出します。

私がご新郎はどんな方ですか?
と聞くと、「クレイジー!」と即答された
ことを昨日のように思い出します。笑

そして好きなところもまた、
「クレイジーなところ。笑」
と仰ったことも。

あの時は、そのエピソードがとても
微笑ましくて、それがどれほどのものなのか、
その「クレイジー」がどれだけ本物なのかを
目の当たりにする日が来るとは正直思って
いませんでした。

今では私も、新郎ニコさんのことを
「クレイジーな方」だと
言ってしまうかもしれません。

(注)もちろん、愛を込めて!笑

リベンジの結婚式当日から
2週間前。

「菅田さん、今度は新郎不在の
結婚式になるかもしれない。
ニコが日本に戻ってこれない
かもしれません。苦笑」
と、マオさんから届いたお電話。

あの時は、それが本当に
なってしまうのではないかと
思った程でした。

それも、
“パスポートがボロボロで
出国できない。”
という、なんて可愛い理由。

そう今は思えるけれど、
あの時はどれだけヒヤヒヤしたか、
そして当の本人はきっと、
そんなに深刻でもなさそうだなと。
あぁ、真のクレイジーだと心から感じた日。
(何度も言いますが、悪口ではありません。笑)

迎えた結婚式当日、
この日だったからこそ
参加することができたという
ご友人の姿もあり、
そこに集まった沢山のゲストの方々と、
終始楽しく過ごされる
お二人の姿を見ることができたことを、
とてもとても嬉しく、

それはまたいつもの結婚式とは
少し違う感動をしたことを
思い出します。

神戸の海を臨める洋館が、
そこはフランスのどこか
郊外にでも来たかのうような
そんな空気と景色に包まれて
いました。

大きな大きな心を持つマオさん。

当初、結婚式までの期間はたった4ヶ月と
限られた時間でスタートした
お二人との結婚式準備。

その期間、何度となくお打ち合わせに
足を運んで下さって、アメリカに住むニコさんと
ビデオ通話しながらお打ち合わせをしたことを
とても懐かしく思い出します。

ふたりで沢山沢山、
いろいろなお話をしました。
マオさんという女性を知るには、
4ヶ月という期間は十分でした。

思いがけず、その時間が長くなり、
まだこの素敵な人と共に過ごす時間を
与えてもらえたんだとさえ思えた、
私にとっては贈り物のような時間を
一緒に過ごさせてもらいました。

お二人のご結婚式に携われたこと、
出逢えたことをとても幸せに
心から嬉しく思います。

これから先、
きっと日本を離れ、
遠くどこかの国にいらっしゃっても、
何年経ってもお会いできると思いながら、
このご縁を大切に、またお会いできる日を
いつも楽しみにしています。

Vous heureux pour toujours !

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